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Takaprex
本サイトの運営をしています。FUJIFILMのカメラと喫茶店と開高健の小説が好きです。

【素敵な写真家たちのポートフォリオ】その美しい世界観に溺れよう

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コーヒーを淹れて、好きな写真家たちの写真を眺めるのが好きです。


写真集ももちろん素敵なのだけど、ポートフォリオサイトを眺めるが最高。(ちなみにInstagramは没入感が無くてあまり好きじゃ無い)

目次

ポートフォリオは写真家の世界観と足跡が詰まってる


写真集はその時の創造性や情熱が詰まってるものが多いけれど、ポートフォリオは、その写真家の「好き」が細部にまで詰まっているし、昔からの歴史が感じられて好きなんです。


昔はどんな写真を撮っていて、どんな写真を撮りながら現在地に辿りついたのかー。そんなことを考えながら一枚ずつ丁寧に眺めていく時間は最高に贅沢。


独断と偏見で選んだ、私の愛する写真家たちのポートフォオを共有させてください。


奥山由之

出典:https://y-okuyama.com/

https://y-okuyama.com/


現代を生きる写真家として、一番売れっ子なんじゃないだろうか。


2011年、『Girl』にて34回写真新世紀優秀賞。


ポカリスエットやLOFTの広告、米津玄師のジャケット。名前は知らずとも、誰しもが彼の写真をどこかで目にしているはず。


無理に世界観を作り込んでいないのに、奥山ワールドがそこには広がっている。「人と人との関係性」がフィルム写真の粒子から滲み出ていて、被写体との距離感(物理的にも心理的にも)が、どう写真に写るのかについて考えさせられる。各誌でのインタヴューでは写真を技術的な視点よりも、常に内省的な視点で見つめ続けているスタンスで、「写真家たるものかくありき」な人。


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奥山さんの写真を見てから「いい写真」の定義が自分の中で変わった。そんな人は多いと思います。ブレてても別にいいというか。構図やピント、解像度といった話とは別に、そこから滲み出てくる躍動感みたいなものが大事なんだなと。


あと、奥山さんが人を撮る時の距離感が好きです。主観と客観の間のような。そこには撮影者の存在感がなく、被写体しかいなかったような空気感は後述する濱田英明さんの写真にも通じると勝手に解釈しています。

濱田英明

出典:http://hideakihamada.com/

http://hideakihamada.com/#1


SNSから人気が出た写真家。


フォトグラファーとしてのキャリアは35歳からとやや遅咲きであることや、「スタジオマン→独立」という王道コースではなく、Flickrという写真掲載特化のSNS(インスタより前に流行った)で台湾でバズってから日本へ逆輸入されたなど、様々な点で異色でもあり、現代の写真家像を良い意味で刷新した人。


PENTAX 67(通称、”バケペン”)という大きなフィルムカメラを愛用しており、その中判フィルム独特の繊細な立体感は多くのフォトグラファーの憧れ。



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濱田さんに憧れてバケペンを買った人。バケペンまでいかなくてもフィルムカメラを手にした人も多いはず。濱田さんの写真を見ていると、いつもその線の細さに驚きます。フィルムで撮っているわけですから、デジタルほど精細ではないはずなのに、デジタルでは出せない精細さがあって、奥行きと立体感が生まれている。
やっぱり、この世には「その人にしか撮れない写真」ってのがあるんだなぁ、、、。

森山大道

出典:https://www.moriyamadaido.com/


https://www.moriyamadaido.com/


日本が世界に誇る写真家。



もはや偉人に近い。



国内外の大規模な展示の数々や、最も名誉ある賞の一つであるハッセルブラッド国際写真賞を日本人としては4人目の受賞。2019年には森山大道の写真家としての半生を描いた映画「写真はいつも新しく、未来はいつも懐かしい」が公開された。



もし、写真を「芸術」と捉え、その内省的な審美眼を磨きたいならまず森山大道の写真を「良い」と思えるようになることかもしれない。そのへんの道にあるものを撮っただけだし、よくピンボケしてる。なのに言いようのない説得力と迫力。



「アレ」「ボケ」「ブレ」。


森山大道の写真の特徴としてよく言われる3つの要素。
写真は粒子で荒れていて、ピンボケしてて、ブレている。普通なら「失敗」と捉える写真を、周囲の批判に耳をかさず「表現」に昇華させたと。その時代においては前衛的で、ある意味、写真を解放したのかもしれない。



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よく「良い写真は何か」という議論があります。その時に「静の中に動がある」といった言い方をよくしたりします。当然、静止画なので止まっているワケですけど、まるで動いているかのように、そのシャッターが切られた前後数秒を脳が補完してしまうような写真。


実際、そういう写真はSNSを眺めていてもたくさんあります。



ただ、森山大道さんの写真というのは「前後数秒」どころではない。一枚の写真が一本の映画のように物語って、見る人を呑み込む、ある種の怖さがある。これは私個人の感じ方で、写真なんていくらでも捉え方があるけど、見たらきっとわかってくれると思います。

https://natalie.mu/music/news/278857



写真に向き合うならば、いずれにしてもこの人の写真は避けて通れないだろうし、見るなら早い方がいい。

高橋ヨーコ

出典:http://yokotakahashi.com/?p=158

http://yokotakahashi.com/


オシャレな写真が好きな人は是非、高橋ヨーコさんの写真を見て欲しい。



2010年に渡米し、サンフランシスコを拠点に活動。



写真の特徴としては、彩度が高く色がコッテリとのっているのだけど、フィルム写真独特の粒子感もあり、どこか滲むような温もりのある質感。オシャレなんだけど、どこか懐かしい。ファッション関連ではジャーナルスタンダードやツモリ・チサトといった有名店やブランドのカタログも手がける。


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個人的には、高橋ヨーコさんが撮影した女優・蒼井優さんの写真集「トラベルサンド」「ダンデライオン」は何度みてもゾクゾクするほど好きです。写真なんだけど、ちょっとしたロード・トリップ映画を見ているような気持ちになる。まるで違う時代の実在しない場所のような空気感が素敵。



KOOMI KIM / 金 玖美

出典:http://koomikim.com/

http://koomikim.com/


広告・ファッションを中心に第一線で活躍するフォトグラファー。


元々、編集社の専属フォトグラファーとして雑誌ananやポパイで撮影していた経歴があり、その後に渡英し、大学で写真を学び帰国後さらに活動の幅を広げている。


クライアントにはApple、コカコーラ、ユニクロといった大企業の名前が並び、Ginzaや装苑、ELLEやSWEETといった有名ファッション誌でも撮影している。


商業フォトグラファーとして華々しい彼女のキャリアもさることながら、写真家としての一面もまた強く惹かれる。


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私はEXITという写真集で彼女のことを知りました。東横線の学芸大前にあるBook and Sonsという本屋でたまたま手にして即買い。日常の一部を撮っただけの写真にどこかノスタルジックな世界が広がる写真はなんとも言えない深みがあります。

大林直行

出典:https://naoyukiobayashi.com/

https://naoyukiobayashi.com/


広告や雑誌を中心に活動。


2020年に開催した個展「おひか」を開催し、同展示の写真集も人気を博したことからSNS上でも有名に。2022年は「私の撮りたかった女優展」に参加。


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「おひか」を読んだ時は衝撃的でした。
大林さんの写真にはいつも「静寂」がある気がします。静寂に包まれているからこそ、その場の音が聞こえてきそう。そんな写真。古民家の床を素足が擦る音とか、家具がきしむ音とか。


音が聞こえる写真。


そんな視点で見ると面白いです。


小見山 峻

出典:https://www.shunkomiyama.com/

https://www.shunkomiyama.com/


2014年から活動する新進気鋭なフォトグラファー。

2018年、JWアンダーソン主催の“YOUR PICTURE / OUR FUTURE”にて日本人で唯一ファイナリストに選出されるなど、海外からの注目も集める。また、PENのクリエイターアワードを受賞。エッジの効いたシャープな写真に独自の世界観を展開する。


“現場監督”というコニカの古いフィルムカメラを愛用(メルカリで1万円くらい)。


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最初に小宮山さんの写真をインスタグラムで見た時は衝撃でした。こんなに我(が)を通す写真があるのかと。SNSが普及し、高性能ミラーレスも安価に普及する中で、良くも悪くも写真に「正解らしきもの」が生まれてきたような気がします。


特にポートレートを中心とした人物写真においては「どこかで見たことあるような写真」がひっきりなしにタイムラインに上がってくるわけですが、小宮山さんの写真はいつも異彩を放っていて眩しいです。

Luka

出典:http://luka-photo.com/


http://luka-photo.com/


モデルであり写真家でもある異色な存在。


Leica M6やContax T2などのフィルムカメラを使い、独自の視点で世界を切り取る。旅の写真が多く、ロードトリップ・ムービーを見ているかのような空気感を閉じ込めた写真が特徴的。


モデルとしては雑誌Cyanなどによく登場している。


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個人的にとても好きな写真家さんです。


昨年、彼女の展示会が下北沢の本屋で行われた際にお邪魔した際にお会いしましたが、とても気さくで素敵な方でした。沖井にいりのカメラはContacx T2だとか、Leica M6にVoightlander Nokton をつけているとか色々と教えてくれました。


Lukaさんのスナップには繊細さと説得力があります。個人的には彼女の撮影するポートレートは是非見てもらいたいです。撮影者の意図を良い意味で感じない、素のパーソナリティが映し出されているリアル・ポートレートだと感じます。

素敵な写真はその世界に連れて行ってくれる

今回、私が個人的に愛してやまない写真家のポートフォリオサイトを紹介しました。


優れた写真家の作品はとてもつもない没入感があり、そのフレームの中に広がる世界へ連れて行ってくれます。ぜひ自分だけのお気に入りの写真家のポートフォリオを見つけてみてください。

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