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歩みを止めた街でひと時のコーヒーとパフェを。 | 横浜 井土ヶ谷 「アスカ」

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横浜に住んでそろそろ10年近くが経つ。



転職を機に都内から横浜へ引っ越した。そんなきっかけだったから、特に横浜という街に思い入れがあったワケでもない。道は狭いし、坂は多いし、子育て世代への支援はひどいもんだし、市長は何をやってるんだかよく分からない。それでも住めば都、とは言ったものでそれなりに気に入っている。




横浜、と聞いた時にどんなイメージを思い浮かべるだろう?



たぶん、多くの人は「みなとみらい」のようなオシャレで綺麗な街並みじゃないだろうか。私も引っ越してきた時は「何となくオシャレ」みたいなイメージしかなかった。



でも、個人的に横浜の魅力は「陽」の部分ではなくて「陰」の部分にこそある、と思うようになった。




都市開発の日陰で歩みを止めた街。


「横浜なんて、そんなキラキラしたもんじゃない」



実際に住んでいる市民の感覚はそんなもんだ。みなとみらいの夜景とか、山下公園とか綺麗なロケーションだけが切り取られがちだけど、横浜はむしろ寂れたエリアが多い。



流行りに乗った「造られたレトロ」ではなく、ただただシンプルに時代に取り残された街並み。築何十年だか分からないような天井の低くて、やたらに配管だらけのマンションが今でもたくさんある。



海側の綺麗なエリアではどんどん都市開発が進む。ただ、その日陰で昭和からずっと姿を変えずにいる町もある。意図的に街並みを残しているわけでもなく、ただただ時代から取り残されている。



そんな横浜の姿こそ、自分にとっては愛おしい。



横浜には寿町(ことぶきちょう)という、いわゆるドヤ街が今でも残っていて、関内、伊勢佐木町、黄金町といった夜の街(今ではだいぶ浄化されたけど)がある。そういったエリアから離れていくにつれてディープさは薄まり徐々に「普通の住宅街」になっていく。街がグラデーションになっているのだ。




今回訪れた井土ヶ谷というエリアはそういった意味では、ドヤ街の喧騒から住宅街に変わる狭間のような街。新しいマンションもあるけど、退廃的なエリアもあって独特の空気感がある。

井土ヶ谷の常連に愛される喫茶「アスカ」

前置きが長くなってしまったけど、井土ヶ谷の駅を出てすぐのところにアスカはある。

パフェやホットケーキ系が充実。ディスプレイのコーヒーがデカすぎるのが可愛い。

店内は割と広くてゆったりめ。



全席が喫煙席で、タバコの煙があちこちでゆらゆらしている。「昔ながらの喫茶店」っていう匂い。私自身はタバコを何年も前にやめたので、基本的にはタバコの匂いは嫌いだけど、喫茶店の匂いは好きという矛盾。



マスターがコレクターなのか、あるいは趣味で描いているのか店内の至るところに富士山の絵が飾られている。

パフェらしいパフェ。杏が嬉しい。



パフェとしての風格よ。


運ばれてきた時に思わず「おぉ」と謎の感嘆。アンズが乗ってるパフェってあまり見ない気がする(気のせい?)。アンズって美味しい。

私はバナナ。ホットケーキを。パンケーキじゃない。ホットケーキ。このニュアンスの違いにノスタルジーを見出せる人と友達になりたい。アイスクリーム、生クリーム、シロップという甘さのオンパレードだけど、意外ともってりしない。

それぞれの時間をゆったり過ごす場所。



ここのお店に限った話ではないけど、喫茶店は基本的に常連さんが多い。ガールズトークしてるマダム。新聞読んでるおっさん。思い思いの時間を過ごす。そういう「人のつながり」みたいなものを感じるのが、喫茶店の良さだったり。




アスカは店内がそれなりに広いので、周りの声も気にならない。




今度いく時は読み切れていない本を一冊もっていこう。

洋菓子・喫茶 アスカ

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