ライカM6で使う50mmレンズが悩ましい。
Leica M6用はNokton Classic35mmしか持っていないので50mmレンズが欲しい!
Nokton Classic 35mmはM6と一緒に買ったもの。
ライカの純正レンズには金額的に手が出ないなぁと思ってたところに、北村写真機店で4万円くらいで売っていたことと、敬愛するフォトグラファーのLukaさんがNoktonを使ってるのもあって決めました(Lukaさんは↓の記事で紹介しています)
意外とネットには作例が充実しているサイトがない。。。
当たり前ですけど、レンズを買おうと思ったら作例って見たいですよね。
どんな写真が撮れるかもわからずに高額な買い物なんてできないですよねぇ。
なのに、ですよ。
ライカ M6 50mm おすすめ
とググっても、あんまりイイ情報出てこなくないですか……?
こういっちゃ何ですけども……カメラマニアのオジサンが書いた文字だらけのブログばかりで……ホントに欲しい情報がない。
- レンズ本体の外観写真ばっかり
- 作例はあるけど良い写真ではないので参考にならない
- 設計思想など玄人向けな情報ばっかり
いや、写真見せい!!!
そう思うのは私だけなんでしょうか……。
やれ、スムーズなヘリコイドがどうとか。
いや、だから写真見せい!!!
カメラを愛する我々にとって「作例」とは、思い切った買い物を後押ししてくれる「グッとくる写真」なわけです。決して、解像感を比較するためにその辺の道に咲いてる花を適当に撮った写真じゃないわけです。そのレンズの本気の写真を見たい。
という気持ちもあり、今回は作例もたくさん集めました。
ライカのレンズ選びは難しい(特にフィルムカメラ)
いや、ライカのレンズ選び難しいですね。
特にフィルムカメラの場合。
まず、ライカのレンズって昔から名前が変わらない。
代表格のSummicron(ズミクロン)はずーーーっとズミクロンという名前。
50年前のも、今の最新のもぜーーんぶズミクロン。
初代とか2代目とか3代目とかあるけど、ずーーーっとズミクロンという名前。
なので、インスタのハッシュタグで検索しても、どのズミクロンだか分からない。
昔のズミクロンと最新のズミクロンでは写りは全く違うので、いつの時代のものかをしっかり確認しないといけないんですが、その情報を丁寧に書いてる人もまた少ない。。。
あと、カメラとレンズの組み合わせで全然描写が変わってくる点も悩ましい。
同じレンズでもカメラ本体が変われば描写は変わります。
ライカのM3につけてるのか、M6なのか、M10なのかで全然違う。最近ではオールドレンズのブームの影響で、最新のミラーレス機(SONYのαシリーズとか)に古いライカレンズをつけてる人も多いんですよね。そうなるともう作例としては参考になりません。
最低限、レンズとカメラの組み合わせは自分の環境と同じ前提で作例を見ないと、参考にならんという事なんですが、ぴったりな作例を見つけるのもまた難しかったりするわけです。
ズミクロン 50mmf2.0かNokton 50mm f1.5か
今回私はこの2つで悩んでます。
M型ライカにオススメな50mmレンズを調べると、色々な人が色々と語ってますが結局は
- ライカの純正レンズ(ズミクロンやズマリット)
- フォクトレンダーのNokton
- カールツァイスのプラナー
この3つのブランドに辿りつくかなと思います。
フォクトレンダーもカールツァイスも日本のコシナが製造しているので、2/3はコシナ製って事になりますね。カールツァイスは良くも悪くもクセがない印象です。収差(=簡単にいうと画の歪み)が少なく、逆光にも強い。現代のレンズなので当然といえば当然ですが、個人的にはつまらないかなと思ったので除外。
M6との組み合わせの作例、集めました
前置きが長くなりました。
とりあえず、作例!
作例はほぼFlickrから。
インスタだと、中々カメラとレンズ両方の情報を開示しているケースが少なかったり、ハッシュタグの書き間違いも多く、信ぴょう性が微妙だったもので。
Summicron 50mm F2.0(2代目から3代目)
まずはズミクロン。
価格帯的にも2代目か3代目かなと。大体13-15万円くらいでそれなりに使えるものが手に入ります。
初代は数が少なくて高いし、4代目(現在のモデル)は吐くほど高いので外してます。
あと、自分はポートレートとかファッションをメインで撮ってるので、人物写真が比較的多いです。
ライカ特有の青みや、空気感を閉じ込めたような、映画のような写真が多いですね。2代目が1960年代から70年代にかけて、3代目が80年代から90年代にかけて製造されてたので、いずれも古いレンズですが、不完全さの中にもシャープさがあって好きです。
ライカのレンズは階調が綺麗に残ると言われています。
つまり、明るい部分から暗い部分にかけて滑らかに色が変わっていく優しい描写になりやすいって事ですね。
一方で、古いレンズに共通して言えるのは、色があっさりしてる点でしょうか。デジタルに慣れていると、色の薄さに物足りなさを感じる人もいるかも。発色の良い画が好きな場合は、この後紹介するNoktonがいいかなーと思います。
Voigtlandar NOKTON 50mm f1.5
フォクトレンダーのノクトン。
私はNOKTON Classicの35mmを使ってますが、現代のレンズでありながらいい意味でアナログな描写に寄り添うレンズなので、気に入ってます。Classicシリーズは35mmか40mmしかないので今回は対象外ですが。
50mmのNOKTONは色々あって、F1.1とかF1.2とかF1.5とか。
出回ってる数としてはF1.5が一番多い気がします。価格も6万円くらいで手に入るので、ズミクロンの半額くらいで買えますね。現代のレンズなので、デジタルカメラに付けて楽しむ事もできるのでコスパがいいです。
特徴としては、ズミクロンに比べるとやはり色がこってり出てる点です。
クセは強いレンズなので好き嫌いが分かれるかもしれません。
開放が明るいレンズなので、ボケはしっかり出ますがそれも良し悪しです。背景のボケが「ガサガサしてわざとらしい」というか。特に人物写真の場合、背景がボケすぎて被写体と背景が切り離されて合成写真のようなわざとらしさが出る気がします。この点については、ライカ純正レンズは凄くてピント面から背景のボケにかけて不自然さを感じません。このあたりがライカの空気感を構成してるのかもしれませんね。
ポートレートをとにかく開放で撮ることに慣れすぎている人が使うとちょっと「わざとらしい画」になってしまう気がします。もうそうなると「現代のミラーレスで撮ればえーやん」っていう話になりますし。
良い点も書きます。上の作例でも、暗めの場所で撮ってるものが多いのですが、NOKTONは明暗差がある場所で撮ると凄くムードがあってカッコいい写真になる印象があります。ウォン・カーワァイの映画みたいな色。
コッテリ系が好きな方はNOKTONオススメです。
性能、価格、そしてロマン
今回はズミクロンとNOKTONの作例を紹介しました。
M型のカメラの50mmを考えた時にまず間違いなく選択肢に上がるかなというレンズです。
価格的にはズミクロンが13~15万円くらいで、NOKTONが6~7万円くらいですかね。単純に倍違う感じ。どちらも値崩れはあまりしない印象です。後、NOKTONは重いです。というか、ズミクロンが軽いんですけどね。
片手で構える事を考えるならばNOKTONの50mmはちょっと重いかも。35mmならいいけど。
私のようにこの2種類で悩む人は多いと思います。
基本的には画作りが全然違うので、どっちの画が好みかに尽きると思います。
お互いが代りにはならないんですよね。ズミクロンが高いからって、NOKTONの描写を兼ね備えるワケではないので。
元も子もない話になりますが、ライカのカメラなんて、値段の半分はロマンです。せっかくカメラがライカならレンズもライカを持ちたいという気持ちがあるとすれば、それは非常に大切な事だと思います。値段で妥協すると、いつか結局買い替えるので。カメラマンとはそういう生き物なので。
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※追記
FUJIFILMのデジタルカメラにNoktonとSummicronを付けて撮影した作例をまとめてみました