“ライカの種類って多すぎてよく分からん!”
って思いません?
ライカに興味を持った時に、まず最初にぶち当たる壁。。。
M型? レンジファインダー? Lマウント?
なんやそら。
ってなる。
歴史が長い分、色々なモデルがあって分かりにくいんですよね。
ネット上にも沢山情報はあるのですが、あまり体系的にまとまったものがなく、情報量ぎっしりで読む気が失せる。。。というのが、私自身の経験。
なので、ライカ初心者の方でもなるべく分かりやすいようにまとめたいと思います!
なお、初心者の方への分かりやすさを最優先!ですので、とりあえずこれだけ分かってれば大丈夫、っていうラインで書いてます。
今回はフィルムカメラ編。
デジタルは別で書く予定です。
ライカのフィルムカメラは大きく分けて3タイプ
まず、ライカのフィルムカメラはマウントによって主に3つに分けることができます。
※マウントって?
レンズをカメラに装着する部分の規格のことです。CanonにはCanonの、NikonにはNikonのマウントがあって形が違うので、基本的には同じメーカーのレンズを付ける前提になります。ライカはライカの中だけで複数の種類のマウントがあるのでややこしい。。

基本的にはL39マウント、Mマウント、そしてRマウントの3つ。
そのマウントの名前に合わせて、それぞれに対応したカメラ本体をL型、M型、R型と言ったりします。
L39型 – 初期のライカ。クラシカルな佇まいが魅力。

最初はL39型。
別名、バルナックライカとも呼ばれてます(バルナックさんが作ったから)。
最も初期の形で、めちゃくちゃ古いです。中古市場に出回っているもので1950年代くらいですかね。
現代の35mmフィルムカメラの元祖といえるカメラです。
クラシカルな見た目が好きな人にはたまらない。
価格も10万円以下で買えるので、ライカの中では手を出しやすいかも。
ライカでLマウント、という時は一つ注意点があります。
L39マウントをLマウントって呼ぶ人も多いんですが、最近のミラーレスでもLマウントがありまして。コレ全く別ものです。この古いタイプはL39スクリュータイプマウントでして、誤解のないようにこの記事ではL39で統一します。
レトロな外見は可愛いのですが、古さゆえに使いこなすのも中々大変。
通常、ライカM型に代表されるレンジファインダー式のカメラは、ファインダーが一個で、それを覗きながらピントを合わせて(=二重像を重ねて)、構図を決める(=フレーミングする)という動作をします。
レンジファインダー式とは?
ファインダーから覗いたときに、像が二重になって見えます。それをレンズのピントリングをくるくる回して像が重なった時にピントが合う、という仕組み。カメラによって二重像が見えにくいものも多いのですが、ライカM型はそれが見やすい事で有名です。
又、写真に納まる部分が枠で示されている、つまり、枠の外は目には見えているけど写真には写らないというのも特徴です。

こんな感じでピントが合ってないと二重に見える。

※白い枠の外は目には見えてますが、写真には写らない。
ただ、L39タイプはファインダーが2つあります。ピントを合わせるためのものと、フレーミングするためのもの。
なので、操作にクセがあり、撮影も時間がかかります。(写真に向き合う、とポジティブに捉える事もできますが)あと、ピント合わせの精度も古い機械なので正直微妙。
ですので、L39タイプは敷居が高い、というのが個人的な印象です。
スマホやミラーレスに慣れ親しんだ世代にとっては、ピントを合わせる行為と構図を決める行為はそもそも一体なので、それが別々になる骨董品を実用機として使うのは、ちょっと大変かなと。
L39型の作例
M型 – ライカの王道。

次にM型と呼ばれるタイプ。
つまり、Mマウントのカメラという事になりますが、ライカといえばM型といえます。
ライカの本質を味わいたいのであれば、迷わずM型。言い切っちゃいます!
M型は、M3、M4,M5,、、と新しくなるにしたがって機種名の数字が増えていきます。ちなみにM型の初代はM3です。M2もあるんですが、実は先に発売されたM3の機能をそぎ落として簡素化したモデルなので初代はM3。ややこしいですよね。
M7までがフィルムカメラで、M8以降がデジタル。今最新なのはM10。
なので、ライカのM型は1950年代から時代が変わってもずーーーっと続いてるんですね。
ちなみに今でもライカはMPというモデルのフィルムカメラを販売しています(中古で50~60万くらい。。。)
私が所有しているM6もM型です。
M6の作例はこちらの記事を見てみて下さい。

個人的にはライカを買うのであれば断然M型が良いと思っています。
今もなお続くライカの主流モデルですし、「ライカらしさ」を一番味わえるのはM型だからです。
加えてMマウントだとレンズの選択肢が広がる点もメリットです。
ライカ純正レンズはもちろん、フォクトレンダーやツァイスなど他のレンズメーカーもMマウント用のレンズを多く製造しているので、安いレンズから始める事もできるのが良いです。ちなみに、L39マウント用のライカ純正レンズは専用アダプターを使う事でMマウントで使う事も可能です。
Mシリーズ作例
R型は一眼フィルムカメラ

最後はR型。
レンジファインダーのM型に対してR型は一眼になります。
R型はやや変わった歴史が。
それは、
技術提携関係にあったミノルタ社の一眼フィルムカメラをベースとしている時代が長かったことです。
つまり、純粋にライカが設計していないモデルです。
R型もM型と同様に、機種名の数字が増えていく程に新しくなりますが、R3からR7まではミノルタ設計。ライカ設計に回帰したのは1996年のR8から。そして2002年のR9でRシリーズは終了となります。
もともと、M3でレンジファインダー式カメラの地位を確立したライカ。
一方でミノルタなどの日本勢は当時、「レンジファインダーじゃ勝てねぇ」と、レンジファインダーから撤退して一眼の開発に舵を切りました。
ですがその後、時代の流れと共にレンジファインダーの人気が低迷した際に、一眼の技術開発に遅れをとったライカがミノルタと提携。その時生まれたのがRシリーズ。
一眼のいいところは、ファインダーから見えている画がそのまま写真になるという点です。
レンジファインダーはレンズを通して見ているワケではないので、ファインダーを覗いても明るさやボケ加減は分かりません。写真になって初めて結果が分かるわけです。
それだけ聞くと不便そうなレンジファインダーですが、慣れてくると瞬間的にピントを合わせられたり、フレームの外の風景もファインダーから見えているので構図を切りやすいというメリットもあります。
一眼が好きという人はR型でもいいと思いますが、個人的にはライカでわざわざRシリーズを選ぶことに疑問もあります。ライカが設計しているモデル(R8とR9)もありますが、一眼式のフィルムカメラの市場では歴史的に見てもライカの一眼は市場ではNikonのFシリーズに負けたと見るのが妥当かと思いますし、使い勝手としてもNikonに軍配が上がると思います。
ただ、Rマウント用のライカ純正レンズは大体10万円を切るためMマウントに比べると比較的安かったりするので、R型のレンズを買ってアダプターでM型のカメラに付けるとかはアリかなーと思います。
Rシリーズ作例
結局、初心者にはどのタイプがいいの?
初心者、という前提をつけるなら圧倒的にM型です。
前述のとおり、ライカ=M型と言っても差し支えないので。
L39型は最初に買うライカではないと思います。
現代のカメラの機構とあまりにもかけ離れているので、かなり不便を感じるはず。ライカの世界にどっぷり浸かって、さらに古い年代のものにロマンを追い求めて、不便さをむしろ愛する変態レベルの域に達したら考えたらいいかなと。。。
R型も前述のとおり、ライカで一眼フィルムカメラを買う理由がとくに見当たらないというのが率直な意見です。
というワケで、個人的にはM型一択かなと。
M型のどれがいいか?と聞かれると自分がM6なのでM6を推します!M6を使ってる最高なフォトグラファーも多いですしね。

というワケで、ライカのフィルムカメラのまとめでした!少しでもカメラ選びの参考になると嬉しいです。
今度はデジタルカメラについても書きたいと思います。