副業で出張カメラマンを始める方が増えています。
カメラマンのマッチングサイトなども増え、機材があれば誰でも始めやすいものの、競争が激しくなかなか収益につながっていない方も多いと思います。

思ってたより全然稼げねぇんですけど・・・・!?
参入障壁が低いということは競争が激しいということですから、戦略も必要になってきます。



今回はまず3万円をしっかり稼ぐための方法を解説します。
自分にとっての「稼げている」はいくらなのか?


まずは、副業カメラマンとしてどれくらい稼げるかイメージを持ちましょう。
月平均8万円。
2022年に入ってからの私の実績です。
平日は仕事をしているので、基本的には土日しか撮影を行えません。
私のようなサラリーマンの場合、データ編集の手間なども考えると、頑張っても10万円/月くらいが相場かと思います。
カメラマンは「時間を切り売りするビジネスモデル」なので、どうしても売上と手間が正比例します。副業に使える時間は人によって違うので、自分の場合はどれくらいの金額がポテンシャルなのかを把握することが重要です。
- 月に何日カメラマンとして稼働できるのか?
- 月に何件受けられるのか?
- 撮影単価はいくらか?
こういった事からビジネス規模を把握しましょう。
時間の制約上、月5万円が限度だとしたらそれを30万円にはできません。依頼件数が増えても対応できないし、単価を倍にすれば依頼が減ります。
副業といってもビジネスです。
ですが、こういった事をきちんと考えているカメラマンは意外と少ないです。「いつか評価されて依頼が増えるはず・・・」と漠然と思っていても、PDCAが回らないので売上は伸びません。
戦うジャンルを絞ろう
写真撮影にはジャンルがあります。
ウェディング、七五三、成人式、家族写真、ニューボーンフォト・・・・・・などなど。
副業の場合は特に、ジャンルを絞って特化させましょう。
本業カメラマンは仕事を選んでられない側面もあるので、あらゆるジャンルの撮影を受ける人も多いようですが、副業でやってる場合は特化した方が戦いやすいです。
当たり前の話ですが、撮影を依頼する人はジャンルで迷うことはありません。ウェディング写真を撮るのか七五三の写真を撮るのかを迷ってる人なんていませんよね。
ちょっと想像してみてください。
例えば、ご自身のウェディングの前撮り撮影を依頼するとして、どっちのカメラマンがいいですか?



何でも撮ります!お気軽にご相談ください!



ウェディング前撮りお任せください!大切なイベントを美しく切り取ります!
・・・・・・カメラマンBではないでしょうか?
一生に一度の大事なイベントですから、その道に精通してそうな人に撮ってもらいたいですよね。
「依頼を取りこぼしたくない・・・」
という心理が働くため、「何でも撮ります」と言ってしまいがち。でも逆効果なんです。
これは結構、見失いがちなポイントです。
ちなみに、私はプロフィール撮影のみに絞っています。婚活用とか、マッチングアプリ用の写真が大半です。家族写真やウェディングなどのご依頼はお断りしています。
目先の利益を考えると勿体無いのですが、色々なジャンルを撮影してしまうと、特化性が失われてブランディング的にノイズになること。そして、不得意なジャンルで撮って悪い評価がつくと、その後の受注率に影響してしまうことが理由です。
ターゲットを細分化しよう
少しマーケティングっぽいお話です。
実は「プロフィール撮影」といっても多種多様です。
女性か男性か?
20代か30代か40代か?
用途はマッチングアプリ用か婚活アプリか?
どこをターゲットとするか考えましょう。必ずしも一つに絞る必要はありませんが、層によって求められる写真が異なってくることは理解しておくべきです。



私の場合は30代からの婚活用・マッチングアプリ用の撮影依頼がメインです。男女比は男性40:女性60くらいです。
年代や性別によって求められる写真の傾向は異なります。
性別・年代別の依頼傾向
男性 | 女性 | |
20代 | マッチングアプリ用。女子ウケする写真。 | SNS投稿用。自然体な自分や、モデルっぽい撮影。 |
30代 | マッチングアプリ用。女子ウケする写真。 | 婚活用のプロフィール。男性ウケする盛れた写真。 |
40代 | 婚活用。清潔感があり真面目な印象の写真。 | 婚活用。男性ウケし若く見える写真。 |
年代や性別によって求められる写真が微妙に違うんですね。
なので、理想的には狙った層に刺さる作例を掲載しておく事が重要です。
「価格=写真の質」ではない
価格設定には注意が必要です。
カメラマンからすると歯がゆい部分なんですが、「写真のクオリティが高い=高い報酬を得られる」というワケではないんです。企業案件なら依頼者側も「見る目」を持っているので、技術面を評価してくれますが、個人の場合はそうはいきません。
「自分は高い機材を使って、照明にもこだわって撮影してるから高めに設定しよう」
といった自分起点の考え方で価格設定をすると失敗します。依頼者には、払おうと思える価格帯、つまり相場感があるということです。機材が高いかどうかは依頼者にとってはどうでもいいことです。
性別・年代別の相場感
男性 | 女性 | |
20代 | 〜12,000円 | 〜13,000円 |
30代 | 〜15,000円 | 〜13,000円 |
40代 | 〜20,000円 | 〜15,000円 |
プロフィール撮影の場合、これくらいが限度です(ウェディングや家族写真はもっと高めだと思います)。
それよりも高いと依頼が一気に減ります。
「写真の腕が上がれば単価も上げられる」
残念ながらこれはカメラマン側の幻想です。いかに写真が優れていても、相場から逸脱していれば依頼はきません。自分がターゲットとする層の相場感をしっかり認識しましょう。
売上UPのアプローチ


自分のビジネス・スケールを知り、ジャンルに特化させる。
そういった戦略面の部分はご説明しましたが、では、売上を最大化するにはどうしたらいいのでしょうか?
売上 = 依頼件数 x 受注単価
ですよね。
売上を上げようと思ったら、件数を増やすか、単価を上げるしかないワケです。
依頼件数をUPさせる方法
自分には余力があるのに、撮影依頼が来ない・・・という状況では、まず単価よりも件数を獲得しましょう。
作例を充実させる
まず作例が目に止まらないといけません。
特にFotowaやOurphotoといったカメラマンのマッチングサイトでは、作例が目に止まらないと話になりません。
プロフィール写真であれば、モデルさんを使ってでも綺麗な作例を作りましょう。モデルさんは自分がターゲットとする顧客層と同じ年代のモデルさんを使うのが重要です。
口コミを積み上げる
マッチングサイトでは口コミが非常に重要です。
写真撮影に1万円以上を払うのは決して安くないです。そのため、口コミは細かくみる人が多いです。重要なのは件数がそれなりあり、良い評価が多いことです。
最低でも10件、単価を下げてでも仕事を取りにいって良い評価を積み上げましょう。
流入経路は多く
流入経路を多く確保しておく事も重要です。
Ourphotoに加えてFotowaにも登録してみる、といった感じで、間口を広くもつ事も有効です。ただしスケジュール管理は煩雑になるので、きめ細かい対応が必要になります。
単価をUPさせる方法
単価設定は自分次第です。
ただ、単価UPは依頼件数が十分に貰えてから検討しましょう。依頼も来ていないのに単価を上げても、もっと依頼が来なくなるだけです。依頼件数は既に増えていて、手一杯になってきたら単価UPによって収益を増やす検討をします。
重要なのは、ターゲット層です。
作例が20代の方ばかりであれば、それより上の世代からの依頼はもらいにくいです。例えば、30代や40代の方に向けた作例も載せるなど、ターゲットを考えながらギャラリーを充実させましょう。
まとめ:副業カメラマンは戦略的に
副業カメラマンは時間の制約があります。
それゆえに、限られた時間で利益を最大化する事を常に考える必要があります。
撮影ジャンル、ターゲット層を絞り、そこに特化させる。そのために作例を揃える。これによって依頼件数は大きく変わりますので、是非意識してみて下さい。