ライカのカメラに興味がある。
だけど、種類が沢山あってよーわからん。。。。
という方へ。
前回、ライカのフィルムカメラの種類をまとめましたので、フィルムに興味がある方はこちらをどーぞ!
ライカのデジタルカメラは大きく分けて3つのシリーズに分類されます。
フィルム時代から続くMシリーズ、レンズ一体型のQシリーズ、ミラーレス一眼のSLシリーズ。
厳密に言いますと、CLシリーズやTLシリーズといったAPS-Cのコンパクトデジタルやゾフォートというポラロイドカメラ(高級なチェキみたいなもん)もありますが、今回はあくまでメインのシリーズ3つに絞ってご紹介します。
M型 – デジタルの時代になってもやっぱり王道
M型がライカの王道である。それはデジタルの時代になっても変わりません。MシリーズはM7までがフィルムカメラで、M8からがデジタルに変わります。M8は2006年に発売されました。見た目は従来のM型を踏襲していますし、相変わらずレンジファインダー。デジタルになれど受け継がれるM型のアイデンティティ。
M8
M8のスペックとしては、1080万画素。今の一眼カメラの主流が2600万〜5000万画素くらいなので、時代を感じますね。イメージセンサー(=光を受けて信号化して画をつくる部分。これが画質に大きく影響する)のサイズはAPS-Hというマイナーな規格。APS-Cよりちょっと大きいサイズですですが、ライカのM8とキャノンの数機種くらいしにしか使われてないセンサーサイズで、今はもう無いと思います。超マイナーなので、APS-H専用のレンズも無く、基本的にフルサイズ用のレンズを使う事になります。
M9
2009年になるとM9が発売されます。
ここでようやくセンサーサイズがフルサイズになります。画素数も1800万画素まで上がります。
今、冷静に考えるとフルサイズ機なのにこのコンパクトさってすごいなと感心します。
重要な点として、M9はCCDセンサーが採用されています。
イメージセンサーはCCDとCMOSの2種類があり、現在市場に出回っているカメラはほぼ全てCMOSで、CCDは無いはずです。昔はCCDセンサーの方が高価な反面、感度を上げても(=暗いところで無理やり明るさを上げても)ノイズが出にくいというメリットがありましたが、CMOSの技術進歩でノイズ除去対策が進む中でCCDセンサーは 姿を消しました。なぜM9のセンサーがCCDである事が重要なのかというと、修理の問題があるからです。
ただ、CCDセンサーであるが故の良さもあります。
それは色味です。
CCDセンサーが作り出す色味はCMOSに比べるとコッテリとした色になる傾向があるようで、結果として、少しフィルムライクなテイストが出やすいという特徴があります。
これは個人的な感想ですが、ライカ自体がデジタルに移行しても、フィルム時代の「ライカの画」を再現する事を追求しているように思います。フィルムであれ、デジタルであれ「ライカの画」というものはやっぱりあって、手触りのある空気感のような独特な奥深さがあります。それ故にデジタルに移行した今もライカファンは多くいるワケですが、その観点でいうとM9のフィルムライクな画に魅力を感じ、あえて最新ではないM9を使う人もいるくらいです。
M9を探す時には、センサーの状態が良いもの。特にセンサー剥離といって、センサーのコーティング膜が剥がれる症状に該当するものは撮った時に変な点が出てしまいますので、剥離対策が施されたものを選ぶようにするといいです。その辺はカメラ屋さんでしっかり確認しましょう。
M10
現時点で最新のM型はM10です。
2017年に発売されました。
M10になるとCMOSセンサーに変わり、画素数も2400万画素まで上がります。はっきり言って、めちゃめちゃ綺麗。ただ、なんとゆーか、CanonやNikonなどの日本勢のフラッグシップ機のような「綺麗すぎる画」というワケではなく、どこかにライカならではのアナログな空気感を内包しています。
ISO感度は50,000まで。
流石に5万まで感度を上げるとノイズでザラザラですが、そのノイズの粒子感がまた逆に良かったり。。。
あとは、ライカのM型はデジタルに移行してから、どうしてもボディが大きくなってしまったんですが、M10は小型化が進み、フィルムカメラ時代とほぼ同じサイズに。といっても、日本メーカーのフルサイズ機と比較して考えるとM9時代から圧倒的にコンパクトでしたけどね、、。
ちなみにM10は新品で買うと大体100万円(ボディだけで)。
高っ。
中古だと状態にもよりますが50万円くらいから。
高っ。
それでもやはりいつかは使ってみたいカメラです。
自分もそうですが、エモーショナルな写真が好きな人はどうしても「デジタルで撮った画像をフィルムっぽくする」っていう事に「嘘くささ」みたいなものを感じてしまって、デジタルが便利だとは思いつつ、でもフィルムのノスタルジックな雰囲気に憧れもあり、、、という葛藤に悩む人は多いかなと思うのですが、ライカのM10の画を見ていると、「もうデジタルでええがな」って思っちゃう。
M型は古いMマウントレンズも使えますしね。
M10に古いライカレンズを付けて撮ってみたいもんや。
Qシリーズ
次はQシリーズ。
なんというか異端児。
ライカシリーズの中で、というだけでなくて、他のメーカーを見渡してもこんなカメラない。
まずカッケー。
次にカッケー。
まぁ、外観がとにかくスタイリッシュでかっこいいんですわ。
現在はQ2が一番新しいモデルです。
フルサイズ。4,730万画素。
で、レンズ一体型。
要はレンズがもう最初からくっついてるので、外せないんですね。一応、画角としては28mm,35mm,50mm,75mm相当の画角に切り替えられるけど、レンズはズミルックス f1.7/28mm ASPHっていう広角レンズなので、50mmや75mm相当の画角で撮っても50mmや75mmのレンズよりは歪むのは避けられないワケです。でも4730万画素も積んでるっていう歪(いびつ)さ。。。
ポートレートをメインで撮る人には不向きかなと思いますが、街でスナップを撮るには最高のカメラだなと。私は人を撮るのがメインなので、Q2をメイン機として使う事はないと思いますが、それでもずっと憧れがあります。デジタルの生々しさとフィルムのノスタルジーを両方混ぜたような画。レンズ交換がなく、直感的に撮影する事に特化したカメラだからこそ撮れる写真があるはず。
SLシリーズ
最後はSLシリーズ。
いわゆるフルサイズ・ミラーレスという領域。
どのメーカーも出してるので競争が激しい分野ですね。
ライカのSLシリーズはLマウントを採用しています。
Lマウントはパナソニックとシグマとのアライアンス(協業)で開発されています。なので、パナソニックのLUMIXもLマウントです。ちなみに、ライカのフィルムカメラ時代のL39マウントをLマウントと呼んだりもしますが、全く別物です。
これは完全なる個人的な意見ですが、ライカのSLってボディで85万円くらいなワケで、、、、簡単にいうとめっちゃ高いワケですが、果たしてその価格を払って導入する意味があるのか?ってとこが正直よくわからんのです。。。
というのは、フルサイズ・ミラーレスってハイアマチュアとかプロユースになって来ると思うんですが、例えば広告撮影とかでライカのテイストが必要なのかっていう。ライカの値段の半分はロマンだと思ってますが、決して性能面で日本勢よりもズバ抜けて卓越しているワケでもないですし、プロユースに近づくほどロマンとかより実践での性能が重要かなと思います。決してSLが劣ってるというワケでないのですが、、、同じハイエンドのフルサイズミラーレス機で比べると、、
Canon R5:4,500万画素 50万円くらい
Nikon Z9:4,500万画素. 60万円くらい
Panasonic DC-S1R:4,700万画素 40万円くらい
画素数は多ければいいってワケではないですが、ライカSL2と同等クラスを並べるとこんな感じです。このクラスで果たしてライカの優位性があるのか?って事なんですよね。また、SLシリーズはPanasonicと部品を供用している部分も多く(ディスプレイとか)、少なからずPanasonicの血が入り込んでいる側面もあります。このブログでも何度書いてますが、ライカの値段の半分は「ライカを所有するロマン」だと思っています(笑)。そう考えると、フルサイズミラーレス機はなんか、、、むしろPanasonicでいいかなとも思えてくる、、というのが個人的な意見です。
とはいえ、ライカの真髄はレンズだったりしますので、SLも(資金的余裕があれば)魅力的なカメラには違いないです。
100万円あげるからライカ買ってきなよって言われたら何買う?
というわけで大きく3シリーズ(M、Q、SL)に分類されるデジタル・ライカの世界でした。もし、急に優しいお金持ちがアナタの前に現れて「100万円あげるから好きなライカを買うといい」と言われたらどれにしますか?
自分は、、、M10かなぁ。
どうしても、ライカ=M型っていうイメージがあるのと、ライカの画作りが一番色濃く出ている気がするんですよね。とはいえ、Qもかっこいい、、、。撮影でお金を貯めて近い将来買いたいと思います。買えたら自慢します。